ニューヨークを牛耳るユダヤ人上流社会に食い込もうと、ノーマンは小さな嘘を積み重ねて人脈を広げてきた。ある日、イスラエルのカリスマ政治家エシェルに偶然を装って近づき、ブランドの革靴をプレゼントする。それから3 年後。イスラエル首相に就任したエシェルと再会を果たしたノーマンは、“首相のお墨付き“を武器に超大物たちの間で暗躍し始める。しかし過度の”忖度”はさまざまな混乱を巻き起こし、国際紛争を起こしかねない事態を招いてしまう。。。存在を認められたい!偉い人と繋がりたい!あわよくば大金を手にしたい!そんな万国共通の欲望を笑い、自省したくなるブラックすぎる忖度コメディの傑作が、政治的混乱中の日本に上陸する。
『プリティ・ウーマン』『HACHI 約束の犬』など幅広く活躍を続け、〈この世で最もセクシーな男性〉にも選ばれた2枚目ハリウッドスターのリチャード・ ギアが、厄介ごとを引き受けまくる自称フィクサーを怪演。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」などで描かれる宮廷ユダヤ人(※1)にインスパイアされた主人公ノーマンを演じるために、撮影の1年前から役作りを研究。歩き方から表情、耳の立ち方(!)にいたるまで、お調子者だけど憎めないキャラクターを作り上げた。
(※1)宮廷ユダヤ人 :差別•迫害を受けていたユダヤ人は、多くの職業から排斥されたため、学問•芸術•金融業•商業に従事。貴族に資金運用や資金貸付を行った銀行家、金融業者、貿易商などが宮廷ユダヤ人と呼ばれた。彼らの一部は経済的に成功を収め、政治的影響力を持つようになった。
ノーマンを翻弄するエシェルには、イスラエルを代表する俳優リオル・アシュケナージ。主演作『運命は踊る』の日本公開も控えている。ノーマンの甥っ子で敏腕弁護士のフィリップには『クィーン』のマイケル・シーン。他にコーエン兄弟やタランティーノ監督作品で重用される個性派スティーヴ・ブシェミ、『美女と野獣』のダン・スティーヴンス、女検察官をフレンチシックの女王シャルロット・ゲンズブールが演じる。監督は『ボーフォートレバノンからの撤退』と「フットノー ト」が続けてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたヨセフ・シダー。ヴィム・ヴェンダース監督の『Pina /ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』やリオ五輪の閉会式における「君が代」の大胆なアレンジでも注目を浴びた三宅純が音楽を担当する。