ペ・ヨンジュン(チョ・ウォン)
1972年ソウル生まれ。1994年、ドラマ「愛の挨拶」でデビュー。韓国ドラマ界の貴公子として、その微笑みで女性たちを悩殺してきたが、2002年の「冬のソナタ」がアジア各国で大ヒットとなり、今やアジアの貴公子として絶大な人気を誇っている。映画デビュー作となった本作はテレビドラマでのイメージを180度くつがえす冒険だったが、女の敵のようなチョ・ウォンを陰影深いキャラクターとして好演し、青龍賞新人男優賞に輝いた。本作に出演の後、映画出演2作目として2005年ホ・ジノ監督作『四月の雪』でソン・イェジンを相手役に、愛し合ってはいけない男女の姿を切なく演じた。
イ・ミスク(チョ夫人)
1960年ソウル生まれ。1979年に映画デビューし、ペ・チャンホ監督作品『鯨とり コレサニャン』『その年の冬は暖かかった』(ともに1984年)などを代表作として1980年代の韓国映画界のトップ女優として活躍するが、1988年の結婚を機に映画界からは引退。イ・ジェヨン監督が企画段階からイ・ミスクの起用しか考えられないと強く希望した『情事』(98年)ではほぼ10年ぶりに映画界に復帰する。その後、2008年のドラマ『エデンの東』をはじめ数々のTVドラマに出演し、現在では母親役も多く演じている。周囲の空気までもをそのカリスマ性を帯びた気品で染め上げる得難い存在感、美貌、演技力——そのすべてが年を経るごとに磨きがかけられている稀有な存在だ。
チョン・ドヨン(チョン・ヒヨン)
1973年ソウル生まれ。モデルを経て、1992年にテレビドラマ「われらの天国」で俳優デビュー。1997年、ハン・ソッキュ主演の『接続』で映画デビューし、この年の新人女優賞を独占。1999年、イ・ビョンホンと共演した『我が心のオルガン』では先生に憧れる田舎の小学生を可憐に演じ、かたや『ハッピーエンド』では昔の恋人との逢瀬に溺れる人妻を好演、人気実力ともにトップスターに躍り出る。続いてソル・ギョングと共演した『私にも妻がいたらいいのに』(01年)では塾教師を清潔感満点で演じたかと思えば、一転して『血も涙もなく』(02年)では社会の片隅で刹那的に生きる女性を演じた。2007年にイ・チャンドン監督作『シークレット・サンシャイン』で息子と地方都市に移り住み悲劇に見舞われるシングルマザー役で見事な演技を見せカンヌ国際映画祭女優賞に輝いた。その他出演作に『ハウスメイド』(10年)『メモリーズ 追憶の剣』(15年)『男と女』(16年)などがあり、多様なジャンルを行き来しながら母となった今も精力的に活躍している。