あの傑作が、製作から15年の時を経てデジタルリマスターで鮮やかに蘇る
原作は幾度も映画化・舞台化されている仏文学の古典「危険な関係」。退廃的な上流社会を厳しく暴いた作品で、フランスを代表する美男俳優ジェラール・フィリップが演じたその役にペ・ヨンジュンが挑み、クールでセクシー、女なら誰でも抗えない危険な魅力を放つ男を演じている。そしてこのゲームを仕掛ける張本人のチョ婦人に卓越した演技力とカリスマ性を備えたイ・ミスク。恋心を抑えに抑えてやがて解き放つ未亡人役を清潔な色気漂うチョン・ドヨン。本作の後、2007年に『シークレット・サンシャイン』でカンヌ国際映画祭女優賞に輝き世界的な女優として活躍している。2004年に日本でも公開され当時9億円の興行収入を記録した『スキャンダル』がついにデジタルリマスター版として再び蘇る。
十八世紀の朝鮮時代。
貴族の婦人が君子と企んで貞淑な未亡人を欲望の罠に落とすという恋愛ゲームを繰り広げる。儒教秩序の厳しい時代、こんな挑発的な出来事が起こったら?

恋愛ゲームを生きがいにしているチョ婦人(イ・ミスク)は、プレイボーイの従兄弟チョ・ウォン(ペ・ヨンジュン)に、夫の16歳の愛妾のソオクを妊娠させてほしいと頼む。だが、彼は9年間貞節を守ってきた未亡人のスク婦人(チョン・ドヨン)に目を付け、ゲームの標的として彼女を落とす賭けに出る。ウォンの熱心な求愛を受け、スク婦人はウォンの手に落ちるが、ウォンは彼女に別れを告げてしまう。スク婦人がショックで憔悴していることを知ったウォンは、スク婦人のことを愛していると、この時初めて気づくのだったが・・・。
ペ・ヨンジュン(チョ・ウォン)
1972年ソウル生まれ。1994年、ドラマ「愛の挨拶」でデビュー。韓国ドラマ界の貴公子として、その微笑みで女性たちを悩殺してきたが、2002年の「冬のソナタ」がアジア各国で大ヒットとなり、今やアジアの貴公子として絶大な人気を誇っている。映画デビュー作となった本作はテレビドラマでのイメージを180度くつがえす冒険だったが、女の敵のようなチョ・ウォンを陰影深いキャラクターとして好演し、青龍賞新人男優賞に輝いた。本作に出演の後、映画出演2作目として2005年ホ・ジノ監督作『四月の雪』でソン・イェジンを相手役に、愛し合ってはいけない男女の姿を切なく演じた。
イ・ミスク(チョ夫人)
1960年ソウル生まれ。1979年に映画デビューし、ペ・チャンホ監督作品『鯨とり コレサニャン』『その年の冬は暖かかった』(ともに1984年)などを代表作として1980年代の韓国映画界のトップ女優として活躍するが、1988年の結婚を機に映画界からは引退。イ・ジェヨン監督が企画段階からイ・ミスクの起用しか考えられないと強く希望した『情事』(98年)ではほぼ10年ぶりに映画界に復帰する。その後、2008年のドラマ『エデンの東』をはじめ数々のTVドラマに出演し、現在では母親役も多く演じている。周囲の空気までもをそのカリスマ性を帯びた気品で染め上げる得難い存在感、美貌、演技力——そのすべてが年を経るごとに磨きがかけられている稀有な存在だ。
チョン・ドヨン(チョン・ヒヨン)
1973年ソウル生まれ。モデルを経て、1992年にテレビドラマ「われらの天国」で俳優デビュー。1997年、ハン・ソッキュ主演の『接続』で映画デビューし、この年の新人女優賞を独占。1999年、イ・ビョンホンと共演した『我が心のオルガン』では先生に憧れる田舎の小学生を可憐に演じ、かたや『ハッピーエンド』では昔の恋人との逢瀬に溺れる人妻を好演、人気実力ともにトップスターに躍り出る。続いてソル・ギョングと共演した『私にも妻がいたらいいのに』(01年)では塾教師を清潔感満点で演じたかと思えば、一転して『血も涙もなく』(02年)では社会の片隅で刹那的に生きる女性を演じた。2007年にイ・チャンドン監督作『シークレット・サンシャイン』で息子と地方都市に移り住み悲劇に見舞われるシングルマザー役で見事な演技を見せカンヌ国際映画祭女優賞に輝いた。その他出演作に『ハウスメイド』(10年)『メモリーズ 追憶の剣』(15年)『男と女』(16年)などがあり、多様なジャンルを行き来しながら母となった今も精力的に活躍している。
イ・ジェヨン / 監督・共同脚本
1965年テジョン生まれ。韓国外国語大学トルコ語卒業後、韓国映画アカデミーで学ぶ。同校の卒業制作としてピョン・ヒョク(『Interview』)と共同監督した短編作品「ホモ・ビデオクス」がサンフランシスコ映画祭最優秀短編映画に選出されるなど海外でも高い評価を得る。1998年の長編デビュー作『情事』はイ・ミスクとイ・ジョンジェの不倫を繊細なタッチで緊張感の高いドラマに作り上げ、内外で喝采を浴びた。つづく、初の本格的な日韓共同製作作品としても話題を集めた『純愛譜—じゅんあいふ—』(00年)は、イ・ジョンジェと橘実里を主演にインターネットを通じて知り合う韓国青年と日本女性のそれぞれの日常を描き出した作品。その後、『多細胞少女』(06年)『世界で一番いとしい君へ』(14年)などを手掛け、最新作の『バッカス・レディ』(16年)は2017年に日本でも公開された。
地域 劇場名 TEL 公開日
東京 Bunkamura ル・シネマ 03-3477-9264 終了
北海道 シアターキノ 011-231-9355 近日公開予定
神奈川 ジャック・アンド・ベティ 045-243-9800 終了
名古屋 名演小劇場 052-931-1701 終了
大阪 シネリーブル梅田 06-6359-1080 終了
京都 京都シネマ 075-353-4723 近日公開予定
兵庫 シネリーブル神戸 078-334-2126 3/24(土)から
岡山 シネマ・クレール 086-231-0019 終了
福岡 中洲太洋劇場 092-291-4058 終了
鹿児島 ガーデンズシネマ 099-222-8746 終了