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社会現象を巻き起した傑作『シュリ』の初共演から20年。再び名優二人が顔を合わせた。『ベルリンファイル』『白夜行 -白い闇の中を歩く-』など深奥の演技派ハン・ソッキュが、朝鮮王朝最高の名君と称され、のちにハングルを創製した世宗大王を演じ、『悪いやつら』『新しき世界』の名優チェ・ミンシクが天才科学者に扮して君主と共に夢を見ながら数奇な運命に翻弄される男を熱演する。ハン・ソッキュは、その圧倒的な存在感で2020年大鐘賞主演男優賞にノミネートされた。先輩と後輩として実生活でも友情を深めてきた二人が、身分を超えて強い絆で結ばれた君臣の美学を観る者の心に刻む。
『八月のクリスマス』『四月の雪』『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』の名匠ホ・ジノ監督が、実在の人物の生き様に大胆な想像力を加えてドラマティックに映画化。恋愛映画の名手と呼ばれるホ・ジノ監督が、本作では身分の差を超えた男二人の固い絆を描き、名優たちの演技力を最大限に引き出している。 さらに、『アシュラ』『グッド・バッド・ウィアード』で青龍映画賞撮影賞を獲得した撮影監督イ・モゲ、『王の涙 イ・サンの決断』『密偵』の美術監督チョ・ファソン、『群盗』で壮麗なコスチュームを創作し大鐘賞映画祭衣装賞に輝いた衣装デザインのチョ・サンギョン、『パラサイト 半地下の家族』『新感染 ファイナル・エクスプレス』の特殊効果担当のパク・ギョンスら精鋭クルーが大挙集結した豪華絢爛な史劇エンターテインメントがここに誕生した。
朝鮮王朝が明国の影響下にあった時代。第4代王・世宗(ハン・ソッキュ)は、奴婢の身分だったチャン・ヨンシル(チェ・ミンシク)の優れた才能を認め、武官に任命する。豊富な科学知識と高い技術を持つヨンシルは「水時計」や「天体観測機器」を次々に発明。それらは庶民の生活に大いに役立てられた。一方で、「明の従属国という立場から脱し、朝鮮の自立を成し遂げたい」という夢をもつ世宗も、朝鮮独自の文字である“ハングル”を創ろうとしていた。天と地ほどの身分の差を超え、特別な絆を結んでいく二人。だが朝鮮の独立を許さない明からの攻撃を恐れた臣下たちは、密かに二人を引き離そうとする。そしてある日、世宗を乗せた輿が大破する大事故が発生。輿の製作責任者であるヨンシルに疑いの目が向けられるが…
1964年11月3日生まれ。高校時代は合唱団に所属し、東国大学校演劇映画科に進学。在学中は短編映画の脚本に関わり、卒業後は声優として一年間活動していた。その後、念願だった俳優へ転身。97年に名匠イ・チャンドンの監督デビュー作『グリーンフィッシュ』で大鐘賞や青龍映画賞などの主演男優賞を総なめにし、『シュリ』で人気を不動のものにした。『八月のクリスマス』では主演のみならず主題曲で自身の歌声を披露。知的でソフトな役から、悪を極めた役まで、幅広いキャラクターを演じる。本作には、王とヨンシルが庭で共に星を見上げる印象的なシーンがあり、当初は歩きながら会話をするという設定だったが、二人で横たわるというソッキュのアイデアが採用された。
グリーンフィッシュ(97)/八月のクリスマス(98)/シュリ(99)/カル(99)/二重スパイ(03)/スカーレットレター(04)/ユゴ 大統領有故(05)/白夜行 -白い闇の中を歩く-(09)/2階の悪党(10)/根の深い木(11)/-世宗大王の誓い-(TV)(11)/ベルリンファイル(13)/パパロッティ(13)/尚衣院-サンイウォン-(14)/監獄の首領(17)/悪の偶像(19)
1962年5月30日生まれ。高校時代に劇団「根」の研究生になり、東国大学校演劇映画科で学びながら演劇界で注目を集める。99年『シュリ』のパク・ムヨン役で大鐘賞主演男優賞を受賞。カンヌ国際映画祭グランプリ受賞映画『オールド・ボーイ』で青龍映画賞、大鐘賞の主演男優賞に輝き、『バトル・オーシャン/海上決戦』は韓国公開時に歴代No.1ヒット(観客動員数1900万人)を記録した。独特の存在感と強烈な感情表現は世界でも注目を集め、リュック・ベッソン監督によるフランス映画『LUCY/ルーシー』で悪役に扮してその実力を世界に轟かせた。本作では、王への敬愛と己の信念を貫きながら過酷な運命に翻弄される男を熱演し、観客の心をワシ掴みにする。
シュリ(99)/ハッピーエンド(99)/オールド・ボーイ(03)/ブラザーフッド(04)/親切なクムジャさん(05)/クライング・フィスト(05)/悪魔を見た(10)/悪いやつら(12)/新しき世界(13)/LUCY/ルーシー(14)/バトル・オーシャン/海上決戦(14)/隻眼の虎(15)/ザ・メイヤー 特別市民(17)/沈黙、愛(17)
八月のクリスマス(98)/反則王(00)/ロスト・メモリーズ(01)/拍手する時に去れ(05)/正しく生きよう(07)/モダンボーイ(08)/犯人は生首に訊け(17)/パパとムスメの7日間(17)
テロ,ライブ(13)/悪人は生きている(14)/インサイダーズ/内部者たち(15)/少女は悪魔を待ちわびて(16)/工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男(18)/8番目の男(18)/国家が破産する日(18)/マルモイ ことばあつめ(19)
シルミド/SILMIDO(03)/朱蒙〔チュモン〕(TV)(06)/最後の贈り物(07)/黒く濁る村(10)/仮面の王 イ・ソン(TV)(17)/名もなき野良犬の輪舞(ロンド)(17)/人狼(18)/国家が破産する日(18)
JSA(00)/リターンズ(07)/キッチン ~3人のレシピ~(09)/幸せを運ぶ友(10)/インフルエンス(10)/観相師-かんそうし-(13)/パイレーツ(14)/メモリーズ 追憶の剣(15)
パイレーツ(14)/タチャ 神の手(14)/西部戦線1953(15)/ヒマラヤ ~地上8,000メートルの絆~(15)/華麗なるリベンジ(15)/アシュラ(16)/王の預言書(18)/無双の鉄拳(18)
シルミド/SILMIDO(03)/美しい夜、残酷な朝(04)/クライング・フィスト(05)/食客(07)/私は王である!(11)/フェニックス ~約束の歌~(13)/神と共に 第一章:罪と罰(13)/神と共に 第二章:因と縁(18)
1963年8月8日生まれ。延世大学哲学科を卒業後、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督を輩出した韓国映画アカデミーで学ぶ。 ハン・ソッキュ主演による愛と死を穏やかに綴った長編監督デビュー作『八月のクリスマス』で多くの映画祭の監督賞を受賞し、イ・ヨンエ演じる年上女性と青年の愛を描いた監督二作目『春の日は過ぎゆく』でも多くの監督賞に輝いた。ペ・ヨンジュンとソン・イェジンが禁断の愛を奏でる『四月の雪』、上海を舞台にチャン・ツィイー、チャン・ドンゴン、セシリア・チャンが共演した『危険な関係』など多彩なラブストーリーを数多く発表し、切ない余韻を残す作風は“ホ・ジノ式ロマンス”と呼ばれている。実在の人物に初めてフォーカスした『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』では脚本完成までに自身最長の4年間を費やした。 本作では、台詞による説明ではなく、俳優の演技、表情、所作、画力によって世宗とチャン・ヨンシルの偉業の裏に隠された心の機微を見事に引き出し、豊かな演出力を存分に発揮している。
八月のクリスマス(監督/脚本)(98)/キリマンジャロ(脚本)(00)/春の日は過ぎゆく(監督/脚本)(01)/20のアイデンティティ/異共(監督)(04)/四月の雪(監督/脚本)(05)/四月の雪 ディレクターズ・カット完全版(監督/脚本)(05)/ハピネス(監督/脚本)(07)/オガムド ~五感度~(監督)(09)/きみに微笑む雨(監督/脚本)(09)/危険な関係(監督)(12)/ラスト・プリンセス(16)/大韓帝国最後の皇女(監督/脚本)(16)
誰もが名君と讃える世宗大王についての資料は数多く残されているが、王を陰で支えた天才科学者チャン・ヨンシルについての記録は「世宗 実録」に記された「大護軍チャン・ヨンシルは、製作を監督した王の輿が行幸中に壊れたために尋問を受けた」という一文だけが残っている。その後のチャン・ヨンシルの消息については一切明らかにされていない。ホ・ジノ監督は「なぜチャン・ヨンシルだけが歴史から急に消えなければならなかったのだろうか?」という自らの問いに着想を得て、朝鮮王朝時代初期に国の改革に立ち向かった二人の関係性にフォーカスを当てて映画化することにした。本作は、実在の人物を登場させながら“書かれなかった歴史”についてホ・ジノ監督ならではの解釈と想像力を加えて描かれたものである。その重厚な人間ドラマを通して、新しい世宗像と彼らが生きた時代をドラマティックにスクリーンに映し出している。
ホ・ジノ監督は、キャスティングする際にハン・ソッキュとチェ・ミンシクに同時に脚本を渡し「配役については二人で決めてほしい」と依頼をした。監督にとって、どちらがどの役を演じるかは問題ではなく、二人が演じることが重要だったという。 東国大学校演劇映画科の先輩後輩であり、30年来の友好関係を築いてきたハン・ソッキュとチェ・ミンシク。 世宗役を演じた実力派俳優の代表格ハン・ソッキュは、『ベルリンファイル』「根の深い木 -世宗大王の誓い-」など、映画やTVドラマで縦横無尽に活躍し幅広いキャラクターを経験してきた。特にTVドラマ「根の深い木 -世宗大王の誓い-」で当たり役となった世宗役に本作で再び挑戦したソッキュは「実は『根の深い木 -世宗大王の誓い-』の時に、もし世宗に心を打ち明けられる友達がいたとするならば、それはチャン・ヨンシルだろうと思っていた。本作でその考えが実現して嬉しい」と明かしている。 一方、賎民の身分から官職にまで昇り詰めたチャン・ヨンシル役を引き受けた国民的俳優チェ・ミンシクは、ハリウッド映画『LUCY/ルーシー』や、『新しき世界』『悪いやつら』『オールド・ボーイ』など骨太な作品で活躍し底知れぬ演技力を披露してきた。本作は『隻眼の虎』から4年ぶりの史劇復帰作品であり、「世宗とチャン・ヨンシルの業績だけにフォーカスを当てるのではなく、二人の関係がどのように展開されていくのかなど、好奇心をかきたてられたことが出演の動機となった」と語っている。
『アシュラ』『グッド・バッド・ウィアード』などで青龍映画賞撮影賞を受賞した撮影監督イ・モゲは、強い信念を抱く世宗の表情をクローズアップ撮影で際立たせ、世宗を見守るチャン・ヨンシルの姿はフルショットで撮影し、それぞれの人間的な側面を表現した。 『神と共に』シリーズや『群盗』でスクリーン映えする見事なコスチュームを生み出してきた衣装監督チョ・サンギョンによる服飾は、世宗が身にまとう数々の王衣の刺繍によって王の威厳を表現。チャン・ヨンシルが着用する服の布素材は、奴婢時代は粗めの麻から始まり、のちに階級に見合ったシルクへと変化していく。 また、映画に登場するチャン・ヨンシルの発明品のために膨大な資料のリサーチをおこない、実物大そのものを実際に製作し、そっくりそのまま再現することに努めた。世宗とチャン・ヨンシルの業績を象徴する天文観測機器「簡儀」には1か月以上の製作期間を費やし、「自撃漏」という水時計についても製作初期から完成に至る過程をまるで観客がリアルタイムで目撃している感覚に浸れるよう撮影された。