ハワーズ・エンド 4Kデジタル・リマスター版
『眺めのいい部屋』『モーリス』の フォースター=アイヴォリーの 三部作·最終章が4Kリマスター版で再び-
情感ゆたかに美しく人生を描き、現在のイギリス映画界でただひとり正統派の作品を手がける名匠、ジェイムズ ・アイヴォリー。
『眺めのいい部屋』(1986)、『モーリス』(1987)など20世紀初頭の優雅なイギリスの上流社会を舞台に、時代や社会の束縛から逃れ、自分に素直に生きていこうとする若き主人公の姿を描きつづけてきたアイヴォリーが監督した、E・M・フォースター文学の最高峰として名高い映画『ハワーズ・エンド』が4Kデジタル・リマスター版として甦る。
本作は、知的で情緒豊かな中産階級のシュレーゲル家と現実的な資産家の家庭ウィルコックス家、両家が別荘“ハワーズ・エンド”をめぐって繰り広げる運命的な人間模様を描くドラマ。ヒロインであるシュレーゲル姉妹には本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ·トンプソンと、ヘレナ・ボナム=カーター。ウィルコックス氏には、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞主演男優賞に輝いたアンソニー・ホプキンス、その妻ルースを『ジュリア』の名女優、ヴァネッサ·レッドグレイヴが演じている。
知的中流階級で理想主義的なシュレーゲル家と、実業家で現実的なウィルコックス家。
正反対な両家は旅行中に親しくなり、シュレーゲル家の次女ヘレンは、田舎にあるウィル
コックス家の別荘、“ハワーズ·エンド”に招かれる。美しい田園風景と人々の歓待に囲ま
れ、ヘレンは次男·ポールに一目惚れ、ふたりは恋におちる。ヘレンは姉に宛てて「婚約
しました」と綴る。 この手紙の行き違いによる大騒ぎで物語は幕を開ける。運悪く、ロンドンのシュレーゲル家の向かいにウィルコックス家が越してきた。失恋の痛みは癒えたもののヘレンは彼らに会おうともしない。しかし、穏やかな姉、マーガレットは、老夫人ルースと親しくなった。現実を合理的に割り切るウィルコックス家の中で、ただひとり魂や自然の声に耳を傾けるルースとマーガレットは、血のつながりを越えて深くわかりあった。死を前にして「ハワーズ·エンドはマーガレットに」という遺言を残して逝ったルース夫人。しかし遺言はもみ消された。その後、マーガレットは残された夫、ヘンリーと結婚しウィルコックス家へ、ヘレンは、ヘンリーの失策から失業したパスト氏と、同情のあまり一夜をともにしてしまい、シュレーゲル家は崩壊してしまう。階級や立場を超えて、人は愛しあうことができるのだろうか?
ハワーズ・エンド 4Kデジタル・リマスター版
出演:アンソニー・ホプキンス/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ヘレナ・ボナム=カーター/エマ・トンプソン
監督:ジェイムズ・アイヴォリー
原作:E・M・フォースター「ハワーズ・エンド」(集英社・刊)
配給:ハーク