欲望の翼
閃光のごとき衝撃と陶酔──ウォン・カーウァイ監督初期の傑作がスクリーンに甦る
後に『花様年華』、『恋する惑星』、『ブエノスアイレス』などで知られるウォン・カーウァイ監督の第2作目にして各国の映画祭でセンセーションを巻き起こし、世界的な注目を浴びるきっかけとなった『欲望の翼 デジタルリマスター版』。1960年代の香港を舞台に、若者たちの恋愛模様を描いた群像劇。第10回香港電影金像奨で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞(レスリー・チャン)を受賞。それまでの香港映画と一線を画す、浮遊感と疾走感の入り混じる語り口と映像美。レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、トニー・レオン、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュンらの当時「香港映画史上最初で最後」と言われたほどに豪華な、6人のトップスターを起用したキャスティング。ジャンルや国境をも超えて今なお熱烈に支持されるウォン・カーウァイ監督。
「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」ヨディ(レスリー・チャン)はサッカー場の売り子スー(マギー・チャン)にそう話しかける。ふたりは恋仲となるも、ある日ヨディはスーのもとを去る。ヨディは実の母親を知らず、そのことが彼の心に影を落としていた。ナイトクラブのダンサー、ミミ(カリーナ・ラウ)と一夜を過ごすヨディ。部屋を出たミミはヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)と出くわし、サブはひと目で彼女に恋をする。スーはヨディのことが忘れられず夜ごと彼の部屋へと足を向け、夜間巡回中の警官タイド(アンディ・ラウ)はそんな彼女に想いを寄せる。60年代の香港を舞台に、ヨディを中心に交錯する若者たちのそれぞれの運命と恋──やがて彼らの醒めない夢は、目にもとまらぬスピードで加速する。
欲望の翼
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
製作:ローヴァー・タン
製作総指揮:アラン・タン 撮影:クリストファー・ドイル
美術:ウィリアム・チャン
出演:レスリー・チャン、マギー・チャン
カリーナ・ラウ、トニー・レオン
アンディ・ラウ、ジャッキー・チュン
1990年/香港/95分/カラー/モノラル
原題:阿飛正傳/DAYS OF BEING WILD
配給:ハーク © 1990 East Asia Films Distribution Limited and eSun.com Limited. All Rights Reserved.