『母へ捧げる僕たちのアリア』
僕は歌う喜びを知った―
芸術とは縁遠い環境で暮らす少年がオペラ歌手になることを夢見るきっかけとなる、ひと夏の芸術への目覚めをヨアン・マンカ監督が自身の体験を交え詩情溢れる映像で描いた長編デビュー作。ヌールがもつ歌の才能を見出すサラ役を監督のパートナーであるジュディット・シュムラが演じた。貧しいながらも力を合わせて暮らす4兄弟の絆、そして自らの夢を信じ一歩を踏み出そうとする少年をリアリズムと暖かい眼差しでスクリーンに映し出し、2020年カンヌ映画祭ある視点部門で上映され話題となった。
南仏の港町で3人の兄と共に日々の生活に追われながら公営住宅で暮らす14歳のヌール。病床の母を自宅で看病しながら、母が大好きだったオペラの曲を聞かせるのが日課だった。夏休みが始まりヌールは教育矯正の一環で校内清掃に駆り出されるが、音楽室から聞こえてくるピアノの音に引き寄せられていく。夏季限定のオペラ教室の講師サラは外から覗いているヌールに気が付き、何か歌ってみないかと提案する。渋々「人知れぬ涙」を歌い出したヌールの才能に気づいたサラは引き続き教室に通うよう誘うが、ヌールを取り巻く環境はオペラを習うことなど許さなかった…。
『母へ捧げる僕たちのアリア』
監督・脚本:ヨアン・マンカ
出演:マエル・ルアン=ブランドゥ、ジュディット・シュムラ、ダリ・ベンサーラ、ソフィアン・カーメ、モンセフ・ファルファー
2021年/フランス/フランス語/108分/カラー/ビスタサイズ/5.1chデジタル
原題:La Traviata Mes frères et moi
© 2021 – Single Man Productions – Ad Vitam – JM Films
配給:ハーク 配給協力:FLIKK
2022年6月24日(金)より シネスイッチ銀座ほか全国順次公開