WKW ザ・ビギニング 『いますぐ抱きしめたい』『欲望の翼』
ウォン・カーウァイ監督の原点と言える奇跡の傑作が今蘇る――
すれ違うはずのふたつの存在が、ちょうど正面衝突したときにしかありえない一瞬の発光。その光を映すことにかけて、ウォン・カーウァイの右に出るものはいない――そう高らかに宣言するデビュー作『いますぐ抱きしめたい』と2作目の『欲望の翼』。ウォン・カーウァイを知るために「絶対に見なくてはならない」待望の初期傑作2本が、4Kレストアでスクリーンに登場!
昨年、ウォン・カーウァイ監督作品『恋する惑星』、『天使の涙』、『ブエノスアイレス』、『花様年華』、『2046』が、4Kレストア版で劇場公開され大ヒットを記録したのも記憶に新しい。上映されなかったデビュー作『いますぐ抱きしめたい』と、レスリー・チャンやマギー・チャンら豪華キャストで贈る監督第2作品『欲望の翼』。ファンの間で再上映を熱望する声が大きくなり、4Kレストア版でいよいよ12月8日に劇場公開となる。
『いますぐ抱きしめたい』
デビュー作4Kレストア
まどろみと疾走、刹那の幸福と永遠の喪失、夜闇とネオン……ウォン・カーウァイが第一作にして最高速度のロマンティックを爆発させる。アンドリュー・ラウ(『インファナル・アフェア』、『恋する惑星』)の「遅くて速い」唯一無二の撮影で、ヒーローでもマフィアでもない若者たちを主人公に友情と悲恋を描き、それまでの香港ノワール映画にない、美しくエモーショナルな世界観を確立した。1989年カンヌ映画祭批評家週間カメラドール(新人監督賞)、香港電影金像奨9部門(作品賞・監督賞含む)ノミネート。世界にその名を轟かせた「伝説的」デビュー作。
『欲望の翼』
レスリー・チャン、マギー・チャンら豪華共演『欲望の翼』4Kレストア版
1960年香港、都市に生き、自由を求める若者たちの孤独と恋愛模様を描いた群像劇。のちに何度もタッグを組むクリストファー・ドイルをはじめて撮影監督に迎え、説明や構成よりもムードや気配を際立たせる詩的なスタイルを確立した第二作。プイグや村上春樹など文学作品からの影響、ラテン音楽の起用、レスリー・チャンら大スター6人の豪華競演──すべての要素が奇跡的なバランスで絡み合う『欲望の翼』は、とびきりメロウでメランコリックな、WKW映画のひとつの特異点と言える。1991年香港電影金像奨5部門(作品賞、監督賞、最優秀男優賞、美術賞、撮影賞)受賞。デジタル・リマスター版ではカットされていた約1分間のシーンが復活し、オリジナル・バージョンでの公開となる。
WKW ザ・ビギニング 『いますぐ抱きしめたい』『欲望の翼』
『今すぐ抱きしめたい』
1988年/香港/広東語/99分/ビスタサイズ/5.1ch/原題:旺角卡門
製作: アラン・タン
監督・脚本: ウォン・カーウァイ
撮影: アンドリュー・ラウ
出演: アンディ・ラウ/マギー・チャン/ジャッキー・チョン/アレックス・マン/ウォン・バン
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『欲望の翼』
1990年/香港/広東語/95分/ビスタサイズ/5.1ch/原題:阿飛正傳
製作:ローヴァー・タン
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル
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12月8日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下他全国順次公開