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Story
ストーリー
起業家として億万長者に成り上がり、幸福で充実した人生を送るマイナート家。一家の長であるアモンは、家族思いで趣味の狩りに情熱を注いでいる。ただ、アモンが狩るのは動物ではない。莫大な富を抱えた一家は“何”だって狩ることが許されるのだ。アモンは“狩り”と称し、何カ月も無差別に人を撃ち殺し続けている。“上級国民”である彼を止められるものはもはや何もない。一方、娘のパウラはそんな父親の傍若無人な姿を目の当たりにしながら、“上級国民”としてのふるまいを着実に身につけている。ある日、ついにパウラは父親と“狩り”に行きたいと言い出す。
Introduction
イントロダクション
  • オーストリアの鬼才ウルリヒ・ザイドル製作。2024年サンダンス映画祭で話題を呼んだ衝撃の問題作
    「ユーモアは危険な時に最高に力を発揮する」という信念を持ち、観る者に笑いと怒りを同時に起こさせる気鋭の監督デュオによる本作。監督のダニエル・へースルとユリア・ニーマンは、金持ちの無敵さを極限まで押し上げ、歯止めがないシステムの結末と、自分の行動に責任を持たない世界の危険性を本作で見せつけた。ヘースルはオーストリアの巨匠ウルリヒ・ザイドルの助手だった経験があり、本作で“狩り”を題材にしたことはザイドルの『サファリ』(16)とのつながりを考えられずにはいられない。恐ろしいほど不快なこの物語にあなたは果たして耐えられるか。
  • 資本主義の終末的世界を極度にシニカルなユーモアで描く、“胸クソ”映画の最高峰
    世界の政治や経済のリーダーが集まる世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」の参加者たちと、その会議が行われるスイスののどかなダボスに住む住民との格差を描いたドキュメンタリー「Davo」(20)を筆頭に、監督のヘースルとニーマンは社会的均衡のシステムを制御不能に追い込んでいる資本と、その力に繰り返し焦点を当てている。本作も勝者と敗者、資本主義と価値観、権利と境界線について描いた映画だ。メイナードの“狩り”を止めることはできない。富を持つ者は自由に行動することができ、法でさえ彼らを裁くことはできない。嘘のようなこの”胸クソ映画“は私たちのすぐ隣にある物語なのだ。
  • 続々と日本で公開される注目すべきオーストリア映画とその才能
    2023年「オーストリア映画週間2024 Our Very Eye 揺るぎなき視線」で日本初上映となった本作。同イベントで紹介されたジェシカ・ハウスナー監督の『クラブ・ゼロ』はすでに日本で公開され、セヴェリン・フィアラ監督の『デビルズ・バス』は2025年に公開を控えており、話題のオーストリア映画が続々と日本で公開される。ミヒャエル・ハネケ、ウーリヒ・サイドルなど世界に影響を与え続けるオーストリア映画界の巨匠たちに続き、その挑発的な視点、人間に対する深い洞察力を受け継いだ若き才能たちが活躍するオーストリア映画界から目が離せない。 
オーストリアの鬼才ウルリヒ・ザイドル製作。2024年サンダンス映画祭で話題を呼んだ衝撃の問題作
「ユーモアは危険な時に最高に力を発揮する」という信念を持ち、観る者に笑いと怒りを同時に起こさせる気鋭の監督デュオによる本作。監督のダニエル・へースルとユリア・ニーマンは、金持ちの無敵さを極限まで押し上げ、歯止めがないシステムの結末と、自分の行動に責任を持たない世界の危険性を本作で見せつけた。ヘースルはオーストリアの巨匠ウルリヒ・ザイドルの助手だった経験があり、本作で“狩り”を題材にしたことはザイドルの『サファリ』(16)とのつながりを考えられずにはいられない。恐ろしいほど不快なこの物語にあなたは果たして耐えられるか。
資本主義の終末的世界を極度にシニカルなユーモアで描く、“胸クソ”映画の最高峰
世界の政治や経済のリーダーが集まる世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」の参加者たちと、その会議が行われるスイスののどかなダボスに住む住民との格差を描いたドキュメンタリー「Davo」(20)を筆頭に、監督のヘースルとニーマンは社会的均衡のシステムを制御不能に追い込んでいる資本と、その力に繰り返し焦点を当てている。本作も勝者と敗者、資本主義と価値観、権利と境界線について描いた映画だ。メイナードの“狩り”を止めることはできない。富を持つ者は自由に行動することができ、法でさえ彼らを裁くことはできない。嘘のようなこの”胸クソ映画“は私たちのすぐ隣にある物語なのだ。
続々と日本で公開される注目すべきオーストリア映画とその才能
2023年「オーストリア映画週間2024 Our Very Eye 揺るぎなき視線」で日本初上映となった本作。同イベントで紹介されたジェシカ・ハウスナー監督の『クラブ・ゼロ』はすでに日本で公開され、セヴェリン・フィアラ監督の『デビルズ・バス』は2025年に公開を控えており、話題のオーストリア映画が続々と日本で公開される。ミヒャエル・ハネケ、ウーリヒ・サイドルなど世界に影響を与え続けるオーストリア映画界の巨匠たちに続き、その挑発的な視点、人間に対する深い洞察力を受け継いだ若き才能たちが活躍するオーストリア映画界から目が離せない。 
Directors
監督
Daniel Hoesl
ダニエル・ヘールス
ヘールスは映画を通じお金の価値を検証し、富にまつわる映画を撮り続けている。2013年にサンダンス映画祭で上映されたデビュー作「Soldier Jane」は同年ロッテルダム国際映画祭にてタイガーアワードを受賞した。その後、パートナーであるユリア・ニーマンと共にドキュメンタリー映画「WinWin」と「Davos」を監督した。
Comment
この作品の主人公がヨーロッパ最大のバッテリー工場を建設している限りにおいて 「代表 」されるイーロン・マスクのような億万長者も、私の頭の中につきまとっている。億万長者と大富豪の違いは、億万長者の場合、もはやお金の問題ではなく、権力と権力の維持の問題だけだということだ。彼らの力は国家よりも大きい。私が懸念しているのはそのことだ。富める者はますます富み、 貧しき者はますます貧しくなるのは倫理的に問題がある。
Julia Niemann
ユリア・ニーマン
ニーマンは映画やテレビ番組の脚本家であり、映画集団 ヨーロピアン・フィルム・コンスピラシーのプロデューサーとして活躍している。パートナーであるダニエル・ホスルと共に数々賞を受賞さいたドキュメンタリー映画「Davos」に携わった。彼らの作品はいつも富、権力、権利というテーマを扱っている。
Comment
私たちは前作のドキュメンタリー映画「WinWin」の取材中、オーストリアの超リッチな人物に出会った。彼は私たちを別荘でもてなした。吹き抜けには巨大なヘルンバインが吊るされ、背後では乳母がプリンセスの衣装を着た2人の子供を連れて部屋を歩いていた。そこへ執事が2丁の銃を手にやってきた。この幸せそうな家族と狩猟のさりげない準備という真逆の関係性が、『我来たり、我見たり、勝利せり』のアイデアの引き金となった。
Credit
クレジット
Staff
監督:ダニエル・ヘースル、ユリア・ニーマン
脚本:ダニエル・ヘールス
製作:ウルリヒ・ザイドル
撮影:ゲラルト・ケルクレッツ
編集:ゲルハルト・ドーラー
サウンド・デザイン:ゲルハルト・ドーラー
サウンド:クラウス・ベニシュカ・ラング
音楽:マニュエル・リーグラー、ゲルハルト・ドーラー
Cast
アモン・マイナート:ローレンス・ルップ
妻 ヴィクトリア:ウルシーナ・ラルディ
娘 パウラ:オリヴィア・ゴシュラー
養女 ベラ:キラ・クラウス
養女 ココ:タマキ・ウチダ(内田珠綺)
新聞記者 フォルカー・カロッタ:ドミニク・ヴァルタ
執事 アルフレート:マルクス・シュラインツァー
狩猟監視員 アイロス:ハイモン・マリア・バッテンガー
2024年/オーストリア映画/ドイツ語/86分/カラー/5.1ch/スコープサイズ/原題:Veni Vidi Vici
字幕翻訳:吉川美奈子 後援:オーストリア大使館、オーストリア文化フォーラム東京 映倫PG12
配給:ハーク 配給協力:フリック